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身から出た錆
2021-07-21
山中伸弥
(京都大学iPS細胞研究財団理事長
 ノーベル賞受賞者)

「うまくいった時は、おかげさま。
 うまくいかなかった時は、身から出た錆(さび)」
 
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人は、何事もうまくいきますと、自分のおかげでうまく行ったと思ってしまうものです。最小のうちは自制していても、うまく行くことが重なると、自分を実力以上に大きく評価してしまうのです。

残念ながら、その成功の陰で何も言わずに支えてくれている人のことを見ていないのです。過小評価しかしていないのです。

そして、いつかその成功が自分だけの力ではないことを教えられることとなります。

「好事魔多し」と言います。
成功している間に、こうもうまく行くのは、皆さんのおかげだ、と早く気づき、謙虚に感謝することが必要なのです。そうでないと、突然、破局がおとずれるのです。
そのようなことを、私はたびたび拝見してます。



失敗した時、うまく行かない時、人は往々にして、あいつのせいだとか、環境のせいだとか、自分以外に責任を持ってくるものです。その方が気が楽ですし、責任も取ることがありませんからそうするのでしょう。

しかし、失敗の責任を自分で引き受けなければ、その人の成長はそこで終了してしまいます。自分の責任だと思うからこそ、次回は失敗しないようにと、知恵も使うし、努力もできるのです。

かくして、山中教授は、ノーベル賞まで受賞することとなったのです。

私も含め、普通の人はノーベル賞とは無縁でしょうが、それぞれの環境において成功・失敗があります。

より良き人生を送るためにも、今日の山中教授の言葉は、味わっていただきたいと思います。

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