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飯台
2020-02-12

坂村真民さんとても素晴らしい詩と出会えました。

飯台と言う詩です。はんだい と読みます。
ちゃぶ台とも言いました。


飯 台

「何もかも生活のやり直しだ

 

 引揚げて五年目やっと飯台を買った

 

 あしたのご飯はおいしいねと

 

 よろこんでねむった子供たちよ

 

 はや目をさまして珍しそうに楽しそうに

 

 御飯もまだできないのに

 

 自分たちの座る処を母親にきいている

 

 私から左回りして

 

 梨恵子

 

 佐代子

 

 妻

 

 真美子の順である

 

 温かいおつゆが匂っている

 

 おいしくつかったたくあんづけがある

 

 子供たちはもう箸をならべている

 

 あゝ飯台一つ買ったことが

 

 こうも嬉しいのか

 

 貧しいながらも貧しいなりに

 

 ふとってゆく子の涙ぐましいまで

 

 いじらしいながめである」



引き揚げてから五年、と言うのは、戦争が終わり、
満州から引き揚げてからの五年目に、と言う事でしょう。

人の幸せは、心と心の交流、安心感なのだと確認するこ
とができました。

私は、今日の晩御飯は、鍋にして家族みんなで食卓を囲
むことにしたいと思います。

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